札幌に住む畠中数茂は亡くなった祖父の遺品整理のため、両親、妹とともに祖父宅を訪れていた。
古いカメラやバスのグッズなど、祖父の”趣味の品”が所狭しと並ぶ書斎が数茂の担当。
数茂自身、子供のころから大好きだった部屋である。
押入れ上の天袋を開けると、何かが滑り落ちてきた。「るもい」と書かれたお菓子の缶の中身は写真。
生前、祖父がよく”るもい”の話を聞かせてくれたことを思い出し、写真に見入る。
「じいちゃん好きだったよな・・・」
後日、通勤途中に”るもい”のパフレットを見かけ、思わず持ち帰る。
次第に”るもい”への興味をふくらませていく数茂。「”るもい”って・・・」
ちなみに、通勤で毎日通る道には「古丹別」という名のスナックがあるのだが、
それが留萌管内の地名であることはこの頃の数茂はまだ知らない(後に知る?)。
ところ変わって東京。吉祥寺に住む大沢天羽は、亡くなった祖母の遺品整理のため実家に来ていた。
なぜか数茂と同様、押入れ上の天袋を開けると「るもいの写真」と書かれた箱が落ちてくる(こちらは「落とした」という方が正解だが・・・)。
散らばった写真には、若かりし頃の祖母の姿が。”るもい”というのがどこ(何)なのか全く知らない天羽は、スマホで”るもい”を調べる。
そして、”るもい”が北海道の地名であることを知り驚く。祖母からは北海道の話など聞いたことが無い。
”るもい”に興味を持った天羽は、自分の部屋に帰ってからもパソコンでいろいろと調べていた(主に食べ物)。
「”るもい”って・・・」
ちなみに、吉祥寺駅前には「羽幌」という居酒屋があるが(実在)、
それが留萌管内にある町名であり、自分の名前とも深〜い関わりがあるということを、天羽はもちろん知らない。
札幌と東京。遠く離れた地で、似たような境遇から”るもい”に興味を持った2人は、さてこれからどうなっていくのか。
「”るもい”って、どんなとこなんだろう・・・」