留萌市を旅した後、どうやら苫前や羽幌を回っていたらしい天羽だが、
次の目的地は、祖母と一緒に写真に写っている漁師さんが気になり天塩町に決めた。
その漁師さんは、祖母が大変お世話になった人らしいのだが、果たしてどんな人なのだろう。
「やさしい人かな・・・、怖い人だったりして・・・」ちょっと不安な天羽だった。
まずは写真が撮られた「天塩町役場」に行ってみる。
赤レンガ造りの荘厳な建物は、現在は「天塩川歴史資料館」として使われているようだ。
中に入ると、かつて天塩川を運航していた長門船と呼ばれる荷役船の再現模型や、
昔の地図、昔の生活用品など様々な展示物で天塩の歴史を知ることができる。
資料館の後は、楽しみにしていたお昼ごはん。
天塩といえば、かつては「蝦夷の三絶」と謳われた大粒のヤマトシジミが有名だが、
ラーメン好きの天羽は、町内のいくつかの店で出している「しじみラーメン」に心魅かれた。
お店は、気のいいママさんがいて常連客も多いという喫茶「あげいん」に決めた。
「道の駅てしお」(ここの「ホッキカレー」にもちょっと魅かれた)の前を通り、「あげいん」へ。
店に入ると、そこには先客がいる。数茂である。
数茂が食していたのは「あげいん」名物のカツカレー。来店客の半数以上が注文するのではないかと思われる(撮影班感想)
カツカレーは、味もよくボリューム満点。大食いの数茂も大満足の一品だった。
席についた天羽はというと、早速写真入りの「しじみラーメン」のメニューに見入る。
注文すると程なく念願の「しじみラーメン」が出てきた。「うーん、コレコレ! おいしー」。
ラーメンに夢中の天羽の後ろでは、数茂が会計をして出ていく。ここでもすれ違う2人・・・。
「しじみラーメン」を堪能した天羽は、いよいよ今回の目的地、漁師の菅井好文さんの居場所をママに訊く。
元々会いに行くつもりだったのに場所をイマイチ把握していなかった天羽。
秋サケ漁が始まったばかりのこの季節、菅井さんが詰めている番屋の場所を、ママが丁寧に教えてくれた。
天気が良く気持ちのいい午後。「天塩川河川公園」をゆっくり歩きながら菅井さんの元へ向かう。
途中に寄ったお店で、天塩町でしか売っていないという「マスカットサイダー」をゲットし、飲みながら歩く。
「マスカットサイダー」は、素朴な味わいでかなり美味しい。
程なく、菅井さんが経営する「豊慶漁業部」の番屋にたどり着く。
番屋の前では、漁から帰ってきたばかりの菅井さんが魚をさばいていた。
早速菅井さんに声をかけ、写真を見せる天羽。
写真を見た菅井さんは「懐かしいなぁ」と嬉しそうな表情を見せ、天羽を番屋の中に招き入れてくれる。
新鮮なイクラやつみれ汁を振舞ってくれて昔話をしてくれる菅井さん。
「どうだ? 旨いべ?」。
本当に旨いものを多くの人に食べてもらいたいと純粋に願いながら毎日漁に出ている菅井さんの心意気が伝わってきた。
夕陽の天塩港が天羽をやさしく包む。「うまいべ!」って、心にしみるなぁ・・・。
菅井好文
漁師 豊慶漁業部経営
本山ケイ子
お食事の店「あげいん」店主