旧国鉄羽幌線天塩駅前の喫茶「あげいん」で、名物の特大カツカレーを食べて大満足の数茂。
天塩から遠別に向かって南下しながら旧羽幌線の痕跡を辿るが、さしたる収穫は無かった(※1)。
一番期待していたのは、線路が無くなった後も残る”跨線橋”、「丸松跨線橋」だったのだが、
どうやら既に埋め立てられたらしく、残念ながら見ることはできなかった(※2)。
因みにこのあたりの行動は、マニアックすぎるので本編では割愛されたらしい。
気を取り直して、祖父の写真を頼りに遠別を旅する数茂。
最初に向かったのは「日本最北の米どころ」と言われる、遠別のもち米生産地。
季節はちょうど稲刈りの最盛期で、そこここでコンバインが忙しく動き回っていた。
この極寒の地、遠別で稲作を成功させた先人たちの苦労に思いを馳せる数茂だった(※3)。
近くの農家を訪ねてみると、収穫した米を乾燥させる作業中。
忙しい中、突然の訪問者に作業を丁寧に説明してくれた上、つきたての餅を振る舞ってくれた。
続いて数茂が向かったのは、紅葉の名所として知られる旭温泉。
祖父の写真がモノクロのため、紅葉の美しさがイマイチ分からず、自分の目で見てみたいと思った。
途中、小高い丘の上に建つきれいな建物を発見。道の駅「富士見」だった。
寄ってみると、何やら名物らしき「まるごと遠別コロッケ」なるノボリが並んでいる。
「これは旨そう!」。早速購入し、食べてみる。
外はサクサク、中はふっくらのコロッケに、なんとホタテとタコが入って独特の食感。
これはイケる!(※4)
レストラン「とんがりかん」への階段を上ると、そこは「富士見」の名の通り、
日本海にポッカリ浮かぶ利尻富士の姿が見事だった。と、そこに沿岸バスの車両が。
これはシャッターチャンス! とばかりに利尻富士とバスのツーショットをカメラに収める数茂だった。
「とんがりかん」の売店で、日本最北の遠別米で作った日本酒「北吹雪」を父親へのお土産に購入し、
いよいよ旭温泉へ。
海岸線から6kmほど山間に入った道道の終点に建つ一軒宿は、まさに”秘湯”の雰囲気満点。
温泉は赤茶色の「旭の湯」と、黒色の「富士見の湯」の2種類の源泉の湯が楽しめ、
野趣あふれる露天風呂から眺める紅葉は、まさに絶景。
さらに、食事も美味しく、支配人はじめスタッフの皆さんもとても親切で、大満足の数茂だった(※5)。
※1)天塩〜遠別間には「干拓」「更岸」「北里」「丸松」「啓明」の各駅・仮乗降場があったが、いずれも現在は駅舎、ホーム等は残っておらず、痕跡を探すのは困難。旧丸松駅駅前には現在も商店が一軒残っており、かろうじてそこがかつて駅前だったことを教えてくれる。
※2)平成19年頃、跨線橋が撤去され、盛土型の道路へと改修された。
※3)明治後期に、越前からの入植者である南山仁太郎氏が稲作に成功し、当地の水稲栽培が本格的に広まったと言われている。
※4)平成24年度えんべつB級グルメの第1回グランプリ賞作品。遠別産のホタテ、タコをふんだんに使いながら、150円とリーズナブル。因みにパッケージに描かれているのは遠別町のマスコットキャラクター「モモちん」で、遠別町内に生息しているという「エゾモモンガ」を模したキャラクター。
※5)因みに撮影は、なんと休館日にムリヤリおじゃまして敢行。旭温泉さん、多大なるご協力誠に有難うございました。
小森嘉孝
農業生産法人 有限会社 緑進 代表取締役